いまでは、地域の清掃活動から災害支援、子ども食堂の運営まで、さまざまな場所で当たり前に見かけるボランティア。その活動が日本社会に広がっていった背景には、いくつかの大きな転機がありました。今回は、日本のボランティアの歴史をたどります。
助け合いの活動は、昔から身近にあった
「ボランティア」という言葉が広まる前から、人々が無償で助け合う活動は各地にありました。たとえば1923年の関東大震災では、当時の学生たちが被災者の救援にあたった記録が残っています。
地域の中でも、近所同士の見守りや、祭り・行事の運営、消防団の活動など、お金のためではない助け合いは長く続いてきました。形は違っても、「困っている人がいたら手を差し伸べる」という土壌は、日本の地域社会の中に根づいていたのです。
1995年、「ボランティア元年」
大きな転機となったのが、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災です。全国から多くの人が被災地に駆けつけ、炊き出しや救援物資の仕分け、避難所の運営などに携わりました。その数は、延べ130万人を超えるといわれています。
この年は、一般の市民が大規模にボランティアとして参加した象徴的な年として、「ボランティア元年」と呼ばれるようになりました。同年には、毎年1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15日から21日を「防災とボランティア週間」とすることも決められました。
それまで「ボランティアは一部の特別な人がするもの」というイメージが強かった時代から、「自分にも何かできるかもしれない」と考える人が一気に増えた転機でした。
NPO法の成立と、広がる活動の場
ボランティア元年をきっかけに、市民活動を支える仕組みづくりも進みました。1998年には特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)が成立し、市民団体が法人格を持って活動しやすくなりました。
団体として活動できるようになったことで、福祉、環境、教育、国際協力など、分野ごとの専門的な活動も広がっていきます。個人の「やってみたい」という気持ちと、団体の受け入れ体制の両方が整い始めた時期でした。
東日本大震災と、その後の広がり
2011年の東日本大震災でも、全国から多くのボランティアが被災地での支援活動に参加しました。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、災害ボランティアセンターを通じた受け入れや、活動の調整の仕組みも整えられるようになってきました。
近年では、災害支援だけでなく、子ども食堂や学習支援、環境保全、地域の居場所づくりなど、日常の中のボランティアも広がっています。短時間だけ、月1回だけ、といった無理のない関わり方を選べる募集も増えています。
歴史を知ると、いまの一歩が見えてくる
振り返ると、日本のボランティアは、大きな災害のたびに「助け合いの輪」が広がり、その輪が日常の活動へとつながってきた歴史だといえます。
特別な資格や経験がなくても参加できる活動は、いまも各地にたくさんあります。まずは近くの募集をのぞいてみることが、次の一歩につながります。
カルセボでは、ボランティア募集を掲載しています。自分に合った活動を探してみてください。